門前の小僧の経営学

中小企業経営者・個人事業主の経営学。経営セミナーに参加したりビジネス書を読んだりして「これは!」と思った内容をメモ代わりにまとめています。

    経営セミナーに参加したりビジネス書を読んだりして「これは!」と思った内容をメモ代わりにまとめているブログです。
    ランチェスターやドラッカーが中心になると思いますが、特にこだわりはありません。

    タグ:ドラッカー

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    「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『イノベーションと企業家精神』を読んだら」を読んだので、久しぶりにドラッカーの「イノベーションと企業家精神」を読み直しています。

    やはりドラッカーは何度読んでも新しい発見がありますね。

    さて、ドラッカーによるとイノベーションには7つの機会があるそうです。
    1. 予期せぬことの生起(予想外の成功や予想外の失敗)
    2. ギャップの存在
    3. ニーズの存在
    4. 産業構造の変化
    5. 人口構造の変化
    6. 認識の変化
    7. 新しい知識の出現
    一般にイノベーションと思われているのは7の「新しい知識の出現」いわゆる「発明・発見」ですね。

    しかし実際には、それ以外にも6つのイノベーションの機会があり、1番はローリスクローリターン、7番へ行くほどハイリスクハイリターンだそうです。

    7つの機会の1から4番までは会社や産業(業界)の内部、5番以降は組織や産業の外部の問題です。

    自然、我々が取り掛かるべきイノベーションとして対処しやすいのは最初の4つという事になります。
    と言うか、人口構造や認識の変化などは個人で取り組むには難易度が高すぎるので、必然的に取り組むのは1~4となります。

    ただ、予期せぬ成功失敗も、ギャップやニーズの存在も、自分ではなかなか気付けないことが多いです。
    イノベーションを行うためには、普段から意識することはもちろんですが、組織や業界を客観視できる外部の人の意見や視点が重要になってきます。
     
    ちなみに、発見・発明が一般に広まるまでに約50年かかる(認識の変化)そうです。
    便利グッズなどのちょっとした発明品は別として、科学的な発見発見や発明は、それが結果になる(一般社会で活用される)までに長い時間が掛かります。
    イノベーションには地道な活動が重要です。





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    優先順位の決定について最も重要なことは分析ではなく勇気である。 (経営者の条件/ドラッカー)

    -shared-img-thumb-tsuruetoushi5_TP_V優先順位にしろ劣後順位にしろ、どれを選んでもメリットとデメリットの双方があります。

    私たちはたいてい、メリットとデメリットを天秤にかけ優先順位をつけようとしますが、どのような優先順位をつけたとしても、それによって切り捨てたデメリットが大きくなる可能性は排除できません。

    現実問題、やって見なければ判らないことの方が多いのですから。 

    そのため、失敗したときの言い訳のために、全てを少しずつ行うと言った誘惑に駆られてしまうことも少なくありません。最悪な手だとわかっていてもです。

    つまり、優先順位あるいは劣後順位はいくら分析しても、デメリットを完全に無くすことが出来ない以上、いくら分析してみても無駄であり、大事なのは決めるための勇気だと言う事です。

    耳に痛い言葉ですが、確かにその通りではないかと思います。


    ドラッカー名著集1 経営者の条件
    P.F.ドラッカー
    ダイヤモンド社
    2006-11-10


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    劣後順位の決定が重要 (経営者の条件/ドラッカー)

    明日のための生産的な仕事は、それらに使える時間の量を上回って存在する。
     (中略)
    したがって、どの仕事が重要であり、どの仕事が重要でないのかの決定が必要である。

    GREEN_FU20140125_TP_Vやるべきことと言うのはたいていの場合、自分の持ち時間以上にあります。

    もちろん、そうであれば限られた時間ですべての仕事を完璧にこなすことは出来ません。

    成果をあげるためには集中することが重要です。
    そのためには『やらないこと』を決めることが重要だということです。

    別の言い方をするならば『選択と集中』ですね。

    私たちはついついあれもこれもと手を出したくなりますが、本当に重要なことに集中するためには、「やらないこと」を意識して決めていく必要があるのです。

    やらないことを決めて、実際にやらない、と言うのも言うのは易く、実行するのは案外難しいんですけどね。

     
    ドラッカー名著集1 経営者の条件
    P.F.ドラッカー
    ダイヤモンド社
    2006-11-10

     

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    直接的な成果は常に重要である。組織を生かすうえでカロリーの役割を果たす。一方で組織には価値への取り組みが必要である。これは、ビタミンやミネラルの役割に当る。組織は方向性を持たなければならない。さもなければ混乱し、麻痺し、破壊される。 (経営者の条件/ドラッカー)

    yakusan20160801221710_TP_Vマーケティング3.0に表されるような価値への取り組みが現代では重要となってきています。
    価値への取り組みとは、結局『何のために』を明確にすること、どこへ向かうのかを明確にすることに他なりません。
     
    もちろん、価値への取り組みだけでは組織を維持することは難しいですが、成果だけを求める組織は方向を誤ったり、組織が空中分解してしまいます。

    営利でも非営利でも「組織」を維持するためにはお金が必要です。そのためには直接的な成果が必要となります。
    ドラッカーはカロリーと表現していますが、上手い表現だと思います。一方で、価値への取り組みの重要であり、こちらはビタミンやミネラルであると言っています。

    人間の体と同じように、カロリーだけでは健康を害してしまいますし、ビタミンやミネラルを補給してもカロリーが足りなければ生命を維持することは出来ません。 

    成果への取り組みと価値への取り組みは、組織と言う体を維持するためには共に重要なものなのです。
    価値への取り組み、やってますか?

    ドラッカー名著集1 経営者の条件
    P.F.ドラッカー
    ダイヤモンド社
    2006-11-10

     

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    ドラッカーが成果をあげるための8つの習慣に、おまけとしてあげているのがこの「聞け、話すな」です。

    この言葉自体は言ってしまえばただのコミュニケーションのテクニックなんですが、ドラッカーは「あまりに重要なので原則に格上げしたいぐらいである」とまで言っています。

    それだけ人は他人の話を聞くことが苦手なんでしょうね。
    自戒を込めて。

    ドラッカー名著集1 経営者の条件
    P.F.ドラッカー
    ダイヤモンド社
    2006-11-10

     

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    ドラッカー曰く、成果をあげるために必要なのは、8つのことを習慣化することであり、必ずしも一般的な意味でのリーダーである必要はないと言っています。(経営者の条件)

    ○○の習慣と言うとスティーブン・R・コヴィー博士の7つの習慣が有名ですが、今回はドラッカーの8つの習慣。
    八つの習慣はドラッカーの著作「経営者の条件」のまえがきで出てきます。
    私がドラッカーの著作の中で1番多く繰り返し読んでいるのがこの経営者の条件ですが、読めば読むほどまえがきだけで十分なんじゃないかと言う気になってきます。

    閑話休題
     
    さて、その8つの習慣とは、
    • なされるべきことを考える
    • 組織のことを考える
    • アクションプランを作る
    • 意思決定を行う
    • コミュニケーションを行う
    • 機械に焦点を合わせる
    • 会議の生産性をあげる
    • 「私は」ではなく「我々は」を考える
    の8つです。

    経営者の条件の中で、
    最初の2つによって知るべきことを知り、次の5つで成果をあげ、残りの1つで組織内の全員に責任感をもたらした。
    とあります。

    その中でも、「なされるべきこと」は「何をしたいか」ではないことに注意が必要です。
    ここをきちんと考えないと、どんなに努力しても成果をあげることはできないとドラッカーは述べています。

    成果をあげるために「なされるべきこと」、考えていますか?

    ドラッカー名著集1 経営者の条件
    P.F.ドラッカー
    ダイヤモンド社
    2006-11-10

     

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    あらゆるマネージャに共通の仕事は5つである。 (マネジメント[エッセンシャル版]/P.F.ドラッカー)

    YOTA85_megatukareta15140305_TP_Vドラッカー曰く、あらゆるマネージャに共通の仕事は5つだそうです。
    • 目標を設定する
    • 組織する
    • 動機付けとコミュニケーションを図る
    • 評価測定する
    • 人材を開発する
    5つの項目、それぞれをどのように解釈するか、実際にどうアプローチしていくかで色々と見方は変わるかもしれませんが、私の経験からも概ねこの通りだと思います。

    ちなみに、私が最初に「マネジメント」を学んだのはドラッカーではなくシステムコンサルタントのトム・デマルコ(の著作)でした。
    トム・デマルコはその著作の中で「正しい管理の4つの本質」として
    • 適切な人材を雇用する
    • その人材を適所に当てはめる
    • 人々の士気を保つ
    • チームの結束を強め、維持する。
    表面だけを捉えるとまったくバラバラのことを言っている様ですが、適切な人材を雇用する(組織する)、人材を適所に当てはめる(組織する・人材を開発する)、士気を保つ(目標を設定する)、結束を強め維持する(動機付けとコミュニケーションを図る)、実際の施策考えるとほとんど同じことを言っていることに気付きます。
    評価測定するという仕事を加えれば完璧ですね。

    そして重要なのは、どちらも「人」に関することであるということ。
    人を活かして成果をあげる(あげてもらう)ことがマネージャーの仕事なのです。

    私がドラッカーを学ぶ前から組織運営で成果をあげてこれたのは、トム・デマルコのおかげだと言っても過言はないと思っています。

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    働く者が満足しても、仕事が生産的に行なわれなければ失敗である。逆に、仕事が生産的に行なわれても、人が生き生きと働けなければ失敗である (マネジメント エッセンシャル版/P.F.ドラッカー)

    企業活動を考えた場合、結果(利益)を重視するのか、過程(プロセス)や(職場)環境を重視するのかと言う話になりがちですが、ドラッカーは過程と結果が両立していなければ、どちらが不足しても失敗であると言っています。

    OOK_PAK9V9A6834_TP_V収益(利益)を上げなければ、そもそも組織(会社)が維持できず、福利厚生などを充実させることは出来ません。
    当然、社会への貢献どこじゃないですよね。

    かといって、収益第一主義では必ずどこかに歪みが発生します。そして大抵の場合、その歪みは従業員や顧客に転化されます。

    従業員や顧客に転化すれば、短期的には収益を上げることが出来ても、長期的に組織(会社)を維持していくことは難しいでしょう。
    いずれ、従業員の士気が低下して組織が崩れるか、顧客からの支持を失って市場から退場せざるを得なくなります。

    しかし、従業員満足度のためにコストを掛けすぎることは、これもまた組織(会社)の存続を危うくすることになります。
    特に中小零細企業では、給与や福利厚生など従業員に還元できる資本には限度があります。
    そのバランスを差配するのが経営者や上級マネージャの役割ですが、それだけではやはり限度があります。

    ならば、何を以って従業員のモチベーションを引き出すのか。

    ドラッカー的には、仕事とは「人が働くことによって得られる結果」であり、労働とは「人の活動(プロセス)そのもの」だと述べています。

    そして、人と労働の関係について
    求める結果(仕事)が同じでも、働くリズムやスピード、持続力は人によって異なる。結果を得るための方法も複数存在する。
    人は働くことで何かを成し遂げようとする自己実現の手段である。人は働くことで社会との係わりを持つ。
    労働は生計を支えると同時に、社会の経済活動の基盤となる。
    と言っています。

    この辺りがヒントになるのは確かですが、具体的にどう活動していくべきなのか、経営者の眠れない夜はまだまだ続きそうです。
     

    マネジメント[エッセンシャル版] - 基本と原則
    ピーター・F・ドラッカー
    ダイヤモンド社
    2001-12-14


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    組織といえども人それぞれがもつ弱みを克服することは出来ない。しかし組織は、人の弱みを意味のないものにすることが出来る。 (経営者の条件/P.F.ドラッカー)

    たとえ組織、複数人のチームを組んでも、その人個人の苦手が無くなるわけではありません。
    しかし、チームで活動することでその人の苦手な部分を別の得意な人がカバーすることが出来ます。
     
    チームあるいは組織で仕事を行なう意味はここにあるのだと、私はそう思います。

    B102_enjinwokumuahirucyan_TP_V似たような人が集まってみんな揃って同じところが苦手、ではチームを組む意味は薄れます。
    単なる仲良しグループと良いチームとの違いは、メンバーの苦手をカバーしあうことが出来るかどうかにあります。 

    もちろん、そのためにはチームの構成や運営、いわゆる『マネジメント』が重要になってくるワケですが。
     
    【曰く、組織といえども人それぞれがもつ弱みを克服することは出来ない。】の続きを読む

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    第三の自らの強みについての前提は、リーダーシップを維持していくためには、いかなる分野で抜きん出ていなければならないかを明らかにする。 (P.F.ドラッカー/『チェンジ・リーダーの条件』実践するドラッカー事業編より)
    事業の定義は三つの要素からなる。
    第一は、組織をとりまく環境である。
    (中略)
    第二は、組織の使命すなわち目的である。
    (中略)
    第三は、そのような使命を達成するために必要な強みついての前提である。
    事業を定義する3つの要素、最後の3つ目です。

    あなたの会社は同業他社に対して、どこがより優れているのか、と言うことですね。

    商品やサービスそのものの良さも重要ですが、それだけでは顧客の支持、あるいは同業他社からあなたを選ぶ理由には足りません。
    同業他社が少なく、お客さんに選択肢が無ければ、仕方なくでもあなたの商品やサービスを購入してくれますが、そういうお客は同業他社が現れたとたん、簡単に他社へ流れてしまいます。

    お客様から選ばれる理由には、商品やサービスそのものだけでなく、それに付随するプラスアルファの付加価値が必要なのです。

    ここで言う付加価値とは、単なる値引きやオマケと言う意味ではありません。
    お客様が喜んで代金を支払いたくなるような付加価値、ドラッカーは「リーダーシップ」と言っていますが、それを持つと言うことです。

    何を以ってリーダーシップを得るのか。
    価格、品質、概観、デザイン、技術力、スピード、安心・安全、わかりやすさ、親しみやすさ、実績、付随サービスなど、付けられる付加価値には多くのものがあります。

    自社の商品やサービスに対してどの様な付加価値を提供できるのか、その付加価値はお客様の要望にマッチしているのか、さらには、その付加価値によって他社に対して優位性を確保することが出来るのか、これが『強み』の源泉だと思います。

    自社の強みを意識し、伸ばすことで、自社のブランディングにも繋がっていきます。

    ただ、自分で思っている自社の強みと、お客様があなたを選んでいる理由が必ずしも一致してないことも少なくないのが、難しいトコロなんですよね。
    その為にどうするのかは、また次の機会に。


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