門前の小僧の経営学

中小企業経営者・個人事業主の経営学。経営セミナーに参加したりビジネス書を読んだりして「これは!」と思った内容をメモ代わりにまとめています。

    経営セミナーに参加したりビジネス書を読んだりして「これは!」と思った内容をメモ代わりにまとめているブログです。
    ランチェスターやドラッカーが中心になると思いますが、特にこだわりはありません。

    カテゴリ:経営学雑義 > マネジメント

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    サービススタッフでも職工でも知的生産業務でも良いのですが、いわゆるライン作業(laborer)以外の業務(work)において、その仕事の質を高める方法の1つは属人性を高めることです。

    属人性を高めるとは、「その人でないと出来ない状態」にするということ。

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    属人性を高める方法のひとつが、組織行動論でいうところの「動機付け」です。
    動機付けというと言葉が硬いですが、要はどうやって従業員のモチベーションをあげるか、と言うことです。
    従業員のモチベーションをあげることで、直接的あるいは間接的に仕事の質を高めることが出来ます。

    この「動機付け」にはいくつかの理論がありますが、マクレガーのX理論Y理論では『職務の拡大(担当する業務範囲の拡大)』がよく挙げられます。
    ハースバーグの衛生理論では『職務充実(責任や権限の範囲の拡大)』がよく挙げられます。
    【仕事の属人性と組織化についての考察】の続きを読む

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    退職は明らかに無駄なコスト (ピープルウェア/トム・デマルコ)

    退職とその補充に関わるコストは経理上は表面に表れません(せいぜい採用に掛かる費用程度です)が、実際には実に多くのコストが掛かります
     
    『新人は最初全く役に立たないし、ひどい場合は足を引っ張る。誰かがその新人の仕事を軌道に乗せるために余計な時間を費やすからだ。』

    工場のライン作業やパートでこなせる簡易な軽作業であれば別かもしれませんが、いわゆる知識労働者においては、初日から仕事が出来るなんて事はありえません。
    デザイナーやプログラマーなどのクリエイティブな業務はもちろん、営業やその他の業務でもです。

    ビギナーズラックで初日から契約が取れた、なんてことはあっても、転職していきなり避妊具の訪問販売で何千万も売り上げてくるような金太郎のような人間はマンガやラノベなどのフィクションの中にしか存在しないのです。 

    閑話休題
     
    新人の育成コストは研修や教育の体制を整えることで多少は圧縮することが出来ますが、ゼロには出来ません。
    例えその新人が経験者であってもです。
    経験者の中途採用の場合も、企業毎に文化が異なるため、まったくの初心者ほどではないにしろ、仕事が出来るようになるまでには時間がかかります。

    そして、その新人(中途入社を含む)を教育するためには、教育・指導を担当するスタッフ(既存社員)の生産性を犠牲にしなければなりません。

    成績を維持したまま新人を教育しろなどと無茶振りする上司がいたりすると、指導スタッフのモチベーションにまで影響を与えかねません。
    当然、生産性はさらに低下することになります。知識労働においてはこの傾向がより顕著になります。

    本書では新人が一人前になるまで大体5ヶ月、人件費にして3ヶ月分と書かれています。
    私が最初にこの本を読んだのは学生の頃ですが、その後の勤務時代や起業後の私の経験からも、大体そんなものだと感じています。
    おそらく、どの業種でも概ね似たり寄ったりではないかと思います。

    もっと悪いことには、仮に病気やあるいは結婚、引越しなどの正当な理由があっても、退職は退職者以外の職場のスタッフ全員のモチベーションを下げてしまうのです。
    離職率が高いと企業文化が根付かず、社内の士気やモチベーションも慢性的に低い状態に陥ります。

    つまり、離職率の高い会社は、極めて採算性の悪い会社と言わざるを得ません。

    離職率が低くなれば、採用や研修にかかる経費が削減でき、生産性の向上による利益の改善も見込めます。
    従業員を減らすのではなく離職者を減らすことが本当の意味で経費削減に繋がるのです。

    個人事業であれば別ですが、組織として10年続く会社を作るためには、離職率の問題は避けて通れない課題です。

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    第三の自らの強みについての前提は、リーダーシップを維持していくためには、いかなる分野で抜きん出ていなければならないかを明らかにする。 (P.F.ドラッカー/『チェンジ・リーダーの条件』実践するドラッカー事業編より)
    事業の定義は三つの要素からなる。
    第一は、組織をとりまく環境である。
    (中略)
    第二は、組織の使命すなわち目的である。
    (中略)
    第三は、そのような使命を達成するために必要な強みついての前提である。
    事業を定義する3つの要素、最後の3つ目です。

    あなたの会社は同業他社に対して、どこがより優れているのか、と言うことですね。

    商品やサービスそのものの良さも重要ですが、それだけでは顧客の支持、あるいは同業他社からあなたを選ぶ理由には足りません。
    同業他社が少なく、お客さんに選択肢が無ければ、仕方なくでもあなたの商品やサービスを購入してくれますが、そういうお客は同業他社が現れたとたん、簡単に他社へ流れてしまいます。

    お客様から選ばれる理由には、商品やサービスそのものだけでなく、それに付随するプラスアルファの付加価値が必要なのです。

    ここで言う付加価値とは、単なる値引きやオマケと言う意味ではありません。
    お客様が喜んで代金を支払いたくなるような付加価値、ドラッカーは「リーダーシップ」と言っていますが、それを持つと言うことです。

    何を以ってリーダーシップを得るのか。
    価格、品質、概観、デザイン、技術力、スピード、安心・安全、わかりやすさ、親しみやすさ、実績、付随サービスなど、付けられる付加価値には多くのものがあります。

    自社の商品やサービスに対してどの様な付加価値を提供できるのか、その付加価値はお客様の要望にマッチしているのか、さらには、その付加価値によって他社に対して優位性を確保することが出来るのか、これが『強み』の源泉だと思います。

    自社の強みを意識し、伸ばすことで、自社のブランディングにも繋がっていきます。

    ただ、自分で思っている自社の強みと、お客様があなたを選んでいる理由が必ずしも一致してないことも少なくないのが、難しいトコロなんですよね。
    その為にどうするのかは、また次の機会に。


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    第二の使命についての前提は、組織が何を意義ある成果とするかを明らかにする。経済や社会に対し、いかに貢献するつもりかを明らかにする。 (P.F.ドラッカー/チェンジ・リーダーの条件)
    事業の定義は三つの要素からなる。
    第一は、組織をとりまく環境である。
    (中略)
    第二は、組織の使命すなわち目的である。
    (中略)
    第三は、そのような使命を達成するために必要な強みついての前提である。
    引き続き、事業を定義する3つの要素、2つ目です。

    何を以って経済や社会に貢献するのか。
    その商品、サービスがどの様に世の中のお役に立てるのか。

    ホントに役に立たないものであればすぐに淘汰されてしまうので、すべての事業は何らかの役には立っているワケです。
    一見何の役にも立ってないようなものでもです。 

    が、経営者や現場のスタッフがをそれを意識して提供できているかどうか。
    そこが重要なのではないかと思います。

    自らの事業を定義するとは、己自身を知ることでもあります。

    つまり、同じような商品やサービスを提供していても、発展する会社(組織)と衰退する会社(組織)の差は、自分達が何を提供しているのかが理解できているかどうかの差。

    そこが組織の使命(目的)が経営理念として浸透しているかどうかの差なのです。

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    第一の環境についての前提は、組織が何によって対価を得るのかを明らかにする (P.F.ドラッカー/チェンジ・リーダーの条件)
    事業の定義は三つの要素からなる。
    第一は、組織をとりまく環境である。
    (中略)
    第二は、組織の使命すなわち目的である。
    (中略)
    第三は、そのような使命を達成するために必要な強みついての前提である。
    自らの事業が何によって対価を得るのかとは、外部の環境に対してどの様な影響(変化)を与えることが出来るのか、と言うことだと思います。

    提供する商品・サービスによって世の中がどうなるのか?と言うことですね。

    単に世の中に求められているものを提供すると言うのも重要ですが、それを提供することによって社会にどのような影響を与え、変革を促すのか。
    そう言ったところまで考えることが出来れば、ドラッカーの言う「変化の先頭に立つ」ことが出来るのではないと、私は思います。

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    短期の利益を捻出するために支出を削減することは、将来のキャッシュフローを放棄することにほかならない。 (ドラッカーと会計の話をしよう/林總)

    端的に言うと『その支出は消費なのか投資なのか』と言うことです。

    銀行や税理士さんが大好きなコストカット。その「コスト」は本当に削減しても大丈夫なコストですか?

    消費も投資も帳簿上では同じ「経費」です。

    「消費」を削減しているつもりで「投資」を削減してしまうと、短期的には(経費が減って)利益が改善したように見えることがありますが、中長期的には売り上げが減少してしまい本末転倒してしまいます。
    数字だけで物事を考える人たちは、得てしてそこに気付かない人が多いのです。 

    例えば商品仕入れ、同じ品質同じ数量の商品を5%安く仕入れることには意味があります。
    しかし、品質を落としたり数を減らして5%減らしたとしたらどうでしょう?見かけ上は同じ5%のコストカットです。
    そんな馬鹿なことしないよ。
    と思うかもしれませんが、意外とやってしまっている経営者が多いのが実情です。どうしても目先の利益に迷ってしまうんですよね。

    その支出は消費(安いほうが良い経費)なのか投資(売り上げを生み出す経費)なのか、意識していますか?

    もちろん、経営者としては単に消費か投資かではなく、経費を経費で終わらせないお金の使い方を意識することも大事なのですが。

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    働く者が満足しても、仕事が生産的に行なわれなければ失敗である。逆に、仕事が生産的に行なわれても、人が生き生きと働けなければ失敗である。 (マネジメント エッセンシャル版/P.F.ドラッカー)

    企業活動を考えた場合、結果(利益)を重視するのか、過程(プロセス)や(職場)環境を重視するのかと言う話になりがちですが、ドラッカーは両立していなければ、どちらが不足しても失敗であると言っています。
    私もそう思います。

    収益を上げなければ、そもそも組織(会社)が維持できず、福利厚生などを充実させることは出来ません。
    当然、社会への貢献も絵に描いた餅で終わってしまいます。

    かといって、収益第一主義では必ずどこかに歪みが発生します。
    そして大抵の場合、その歪みは従業員や顧客あるいは取引先に転化されます。

    従業員や顧客に転化すれば、短期的には収益を上げることが出来ても、組織(会社)を維持していくことは難しいでしょう。
    いずれ、従業員の士気が低下して内部から組織が崩れるか、取引先や顧客からの支持を失って市場から退場せざるを得なくなります。

    しかし、従業員満足度のためにコストを掛けすぎることは、これもまた組織(会社)の存続を危うくすることになります。
    特に中小零細企業では、給与や福利厚生など従業員に還元できる資本には限度があります。
    そのバランスを差配するのが経営者や上級マネージャの役割ですが、もともとの資本が潤沢でない以上やはり限度があります。

    ならば、何を以って従業員のモチベーションを引き出すのか。

    ドラッカー的には、仕事とは「人が働くことによって得られる結果」であり、労働とは「人の活動(プロセス)そのもの」だと述べています。
    そして、人と労働の関係について
    • 求める結果(仕事)が同じでも、働くリズムやスピード、持続力は人によって異なる。結果を得るための方法も複数存在する。
    • 人は働くことで何かを成し遂げようとする自己実現の手段である。
    • 人は働くことで社会との係わりを持つ。
    • 労働は生計を支えると同時に、社会の経済活動の基盤となる。
    と言っています。

    この辺りがヒントになるのは確かですが、具体的にどう活動していくべきなのか、経営者の眠れない夜は続いていくことになりそうです。


    マネジメント[エッセンシャル版] - 基本と原則
    ピーター・F・ドラッカー
    ダイヤモンド社
    2001-12-14



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    組織は存続することが目的ではない。 (中略) 組織は社会の機関である。外の環境に対する貢献が目的である。 (経営者の条件/P.F.ドラッカー)

    10年で9割以上の会社がなくなる現実を考えれば、会社が存続すること自体も素晴らしいことだと言えます。

    しかし、あくまでそれは、社会に貢献するためには長く存続することが重要な要因の1つであるということであり、貢献の結果として存続しているのでなければ意味がありません。
    存続するというのは、必要条件だけど十分条件ではないのです。 

    同じくドラッカーの「成果は外にしかない」と言う言葉も大好きなのですが、会社が存続できるかどうかは、外部(顧客)からの評価以外にはあり得ません。

    つまり、会社を長く続けるためには、いかにその事業を通じて社会に貢献していくかが大事なのです。

    そして、それをどうやって従業員に落とし込んでいくか、どうやって組織を構成するスタッフが同じ理念を共有していくかが、経営者や幹部の仕事ではないかと思うのです。


    ドラッカー名著集1 経営者の条件
    P.F.ドラッカー
    ダイヤモンド社
    2006-11-10


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    個人も、会社も、お金は目指す目標を実現するために使わなくてはならない 。(ドラッカーと会計の話をしよう/林總)

    ご利用は計画的に。
    ではないですが、消費と投資を間違えてはいけません。

    特に中小零細企業では。


    キツイ言い方をすれば、借金だらけなのに会社のお金で営業車と称してベンツを買ったりしていませんか?
    と言うこと。

    売り上げを上げるために使うお金が投資であって、社長の趣味に使うお金は得てして消費で終わってしまうことが多いのです。

    私も、さすがにベンツを買ったりはしませんでしたが、過去を振り返れば多少は心当たりがあります。

    注意しましょう。



     

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    PDCAサイクルは経営に限らずいろんなところで出てきます。
    経営者や管理者であれば、知っておいて損はないどころか、知らないと損をする用語です。

    Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)
    の 4 段階を繰り返すことによって、業務を継続的に改善していく管理手法です。

    Plan(計画): 戦略、計画、目標をたてる
    Do(実施・実行): 計画を実施する
    Check(点検・評価): 結果や過程をチェックし、評価する
    Act(処置・改善): チェックに基づいて計画の見直しや修正を行う

    最後のAct (見直し)を行ったら、最初のPlanにもどり、見直した内容に沿ってまた計画を立て直します。

    PDCAを何度も繰り返すことで改善を行うことから、PDCAサイクルと呼ばれます。
    PDCAを確実に行うためには、PDCAのなかのC、チェックが特に重要です。


    チェックのたびに内容が改善されなくてはいけないのです。
    PDCAを回しているつもりで、ルーティンとしてPDCAっぽいことを繰り返している人は少なくありません。

    そして、チェックを確実に行うためには、客観的に評価できる指標を設定することが大切です。この辺りを突き詰めていくとバランススコアカードに行き当たるのですが、バランススコアカードの話はまたいづれ。
     
    pdca01_08

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