よく話題に出る、リーダーは「能力か人格か」というテーマ。

OY151013290444_TP_V雑誌の記事などでは有名経営者の言葉などをひいて「人格を重視するべき」で話が終わることが多いテーマですが、ホントにそうでしょうか?

何もしなくても売上が伸びていた高度成長期のような時代であれば確かに能力よりも人格を重視すべきでしょう。
組織の和を重視すると言う意味で間違いではありません。能力なんて無くたって成長できたわけですから。

じゃあ、今の時代は能力優先、能力さえあれば人格はどうでも良いかと言うと、そういう訳でもありません。
能力があれば短期的には成果が上がっても、人格が伴っていないと長期的に成長を維持することは難しいからです。

つまり、正解は能力と人格の「両方」と言うことになります。

AかBか、と言う話で両方と答えると「えー」と言う人は少なくありませんが、リーダーシップにおいて人格と能力は車の両輪です。
ケースバイケースでどちらを重視するかはあっても、程度の問題と言うことですね。

横領や詐取を平気で行うような反社会性人物であれば別ですが、ちょと性格が悪いとか気が利かないといった問題であれば、人柄は良いけど仕事が出来ないという人物より優遇したって良いのです。

いくら人が良くたって仕事が出来ないリーダーにメンバーが付いてくるのか?
と言う話です。
リーダーが仕事に優れている必要はありませんが、程度と言うものがあります。仕事が出来ない人にメンバーの仕事ぶりは評価できないし、メンバーからの支持も尊敬も得られないからです。

さて、ジョン・アデアの行動中心型リーダーシップと言うのがあります。
要約すると

リーダーは業務・チーム・個人の3つの要素のバランスを絶えずとる必要がある

と言うもの。

adair1絶えずバランスをとるとは、状況に応じて優先する要素を変化させると言うこと。

これ自体は、リーダーの意識すべき要素は3つあり、状況に応じて優先度を変化させなければいけないと言う話ですが、この3つはそのままリーダーの資質にも置き換えられるます。

ここで能力と言うのは業務能力です。人格は個人に置き換えられそうです。
アデアのリーダーシップではここに「チーム」と言う要素が加わります。チーム作りや集団の維持に関する能力ですね。

リーダーシップには、業務遂行に関する能力、メンターとして部下から支持を受けられる人格的能力、チーム運営に関する能力、この3つのバランスが必要なのです。

つまり、能力か人格かの正解は、やっぱり「どちらも」と言うことです。
どちらも一定のレベルを満たしている必要がある。その上でどちらを優先するかはケースバイケース。
そして能力には業務能力と組織運営能力が含まれる。
と言うのが現実です。

第一、能力も人格も磨いて伸ばすことが出来るものです。

「能力か人格か」といわれるときの人格には多くのものが含まれている気がしますが、反社会性人格で無い限り重要なのは人格や性格よりも理念を共有できるかどうかだと、個人的には思います。

アデアの行動中心型リーダーシップ、リーダーシップや人材登用を考える際に意識したい理論です。




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